北陸道のルート
<中山道から分岐>(鳥居本)−(米原)−(長浜)−(木之本)−{@(杉津)−<山中峠>A(新保)−<木ノ芽峠>B<栃の木峠>−(板取)}−(今庄)−<湯尾峠>−(武生【たけふ】)−(浅水【あそうず】)−(福井)<細呂木峠>(大聖寺)−(小松)−(松任【まっとう】)−(金沢)−<倶利伽羅峠>(高岡)−(小杉)−(岩瀬)−(滑川【なめりかわ】)−(魚津)−(市振【いちぶり】)[親不知【おやしらず】](糸魚川【いといがわ】)−(直江津【なおえつ】)−(青海川)−(柏崎)−(出雲崎)−(弥彦)−(新潟)

全長は約520kmに及ぶ。
別名
北国【ほっこく】街道、北国路、北国通、加賀路(金沢まで)、鹿蒜【かへる】嶮(険)道、木ノ芽越え、柳ヶ瀬街道、栃ノ木越、越路【こしじ】(「こしみち」とも言う、越【こし】の国に至る道のこと。のち越前、越中、越後の3カ国に分かれた。前、後などは都・奈良との遠近を示す)。
街道の役割
古くから畿内と東北、北海道を結ぶ最短の交通路として重要な役割を果たした。
日本海側の唯一の街道。これに関連して舟運も発達した。
北陸道の歴史
古代
愛発【あらち】関(所在地不明だが、敦賀市疋田が有力)を越え、敦賀から先は日本海沿いの難所を行く。この断崖下の道は危険すぎるため、平安初期(830年頃)木ノ芽峠が開削され、以後中世の主要ルートとなる。
越中国守に任命された(746)大伴家持が平城京から下向したルートである。越中国府(高岡市郊外の伏木)まで9泊10日の旅であった。また紫式部は越前守に任命された父・藤原為時の赴任に際し、武生まで同伴している。
中世
多くの武将たちが、この街道を駆け抜けた。先ず木曽義仲、倶利伽羅峠の大勝利は日の出の勢いとなり一気に京まで駆け上がった。
一方、源義経には悲運の逃避行ルートだった。吉野を脱出後、京を抜け琵琶湖を北上。その後は愛発関、氣比神宮 、木ノ芽峠、金津、安宅の関、親不知。直江津からは船で寺泊に上陸し平泉を目指した。
足利尊氏の軍に敗れた新田義貞は恒良・尊良親王を奉じて(1336)比叡山から敦賀(金ヶ崎)に向かう。しかし、敵に進路をふさがれ木ノ芽越えの大迂回を余儀なくされる。この時吹雪と寒気で多数の凍死者が出たという。
安土桃山時代
織田信長の宿老・柴田勝家が北ノ庄(福井市)から安土への最短の軍用道路として栃の木峠を整備した(1578)。以降、木ノ芽越えに代わりこちらが主要道となる。
江戸時代
全国の大名に先駆けて参勤交代を行った加賀藩の手で整備された。当然、北陸道は前田家の参勤交代路である。通常、直江津から北国街道に入り小諸で中山道に合流。江戸まで約13日を所要した。
元禄年間の松尾芭蕉「奥の細道」紀行(1689)は余りにも有名である。約140日に及ぶ大旅行の後半は、この北陸道を利用している。そして驚くべきは、その健脚ぶり。一日平均約35kmを歩いた。圧巻は出雲崎〜針崎の約54kmである。
幕末には(1864)「攘夷」直訴の水戸天狗党が京を目指した道である。それは北陸道のみではなく文字通り紆余曲折の道。そして悲劇と苦難と徒労の旅でもあった。
明治天皇の北陸巡幸路(1878)

明治天皇像 岐阜公園
6大全国巡幸のうち3回目で岩倉具視、大隈重信らが随行した。
全72日間のうち25日間が北陸道巡幸に費された。
そういう訳で、街道沿いに明治天皇関連の石碑をよくお見かけする。甲州街道(甲州街道概説を参照されたい)でも述べたが、それは「街道証明書」のようなもので、歩き旅に安心感と親近感を与えてくれる。
「歴史の道」
2ヵ所が「歴史の道」に選定されている。1つは木ノ芽峠〜湯尾峠、2つ目は倶利伽羅峠である。北陸道には何の変哲もない車道歩きも多いが、この2ヵ所は魅力的なお勧めコースである。
北陸道歩き旅アドバイス
山陽道にほぼ匹敵する長距離の街道である。
効率よく街道を歩くには、街道に近いJRなどの駅を利用すること。JR北陸線、信越線、越後線などは北陸道に大体並行している。
それに敦賀、福井、金沢、高岡、新潟などの都市へは高速バスが利用できるので便利だ。
北陸道歩きコースプラン
コース
| コース | 見どころ、ハイライトなど | |
|---|---|---|
| 1 | 米原〜朝妻〜長浜 | 長浜黒壁スクェア、鍋冠祭 |
| 2 | 木之本〜柳ヶ瀬〜栃の木峠 | 木之本 |
| 3 | 敦賀の散策 | 気比の松原、金ヶ崎城址など |
| 4 | 新保〜木ノ芽峠〜二ツ屋 | 木ノ芽峠 |
| 5 | 山中峠〜上新道〜板取 | 板取宿 |
| 6 | 今庄〜湯尾峠〜脇本 | 今庄宿、湯尾峠 |
| 7 | 武生〜浅水〜福井 | 西山公園、養浩館 |
| 8 | 森田〜細呂木峠〜橘 | 細呂木峠 |
| 9 | 大聖寺〜小松〜安宅 | 大聖寺、安宅の関 |
| 10 | 寺井〜野々市〜金沢 | 東茶屋街、長町武家屋敷 |
| 11 | 津幡〜倶利伽羅峠 | 倶利伽羅峠 |
| 12 | 石動〜福岡〜高岡 | 高岡の金屋町、木舟町など |
| 13 | 小杉〜下村 | 稚児舞 |
| 14 | 岩瀬〜水橋〜滑川 | 岩瀬 |
| 15 | 魚津〜入善〜宮崎 | ヒスイ海岸 |
| 16 | 市振〜親不知〜糸魚川 | 親不知コミュニティロード |
| 17 | 長浜〜直江津〜高田 | 春日山城址、高田城周辺 |
| 18 | 潟町〜青海川〜柏崎 | 福浦八景 |
| 19 | 出雲崎の散策 | 夕日の丘公園など |
| 20 | 弥彦〜岩室、新潟の散策 | 弥彦神社、新潟歴史博物館など |
